ラテンの墓場を愛して

5月ライブ告知♪

私のやっているバンド「ペス・デ・トゥンバ(墓の魚)」は、スペイン、ポルトガル、フランス、イタリアをテーマにしたラテンバンドです。 これらの国はまとめて南ヨーロッパと呼ばれていますが、皆さんがよく連想するイギリスなどの西ヨーロッパや、北国フィン…

美しき水車小屋の娘

シューベルト : 歌曲集「美しき水車小屋の娘」D.795アーティスト: フィッシャー=ディースカウ(ディートリヒ),シューベルト,デムス(イェルク),ムーア(ジェラルド)出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック発売日: 2000/07/01メディア: CDこの商…

ボーカルの名前2

さて、前回の日記に引き続き、今回もうちのバンドのボーカルの名前の由来を紹介していきたいと思います。 今回、紹介いたしますのは、小さな道化師の女の子「仕立て屋のオチ」です。 彼女は、戯けた独特なしゃがれ声で「シャンソン・フュネライユ(葬送の歌)…

ボーカルの名前

うちのバンドには、ゲスト歌手も含め、メインボーカルが何人もいます。 彼女達は、まるでイタリア喜劇の道化役者のように、オペラ、ファド、シャンソン、アルゼンチンタンゴ、フラメンコなどを歌っていきます。 さて、そのメインボーカルの一人に「メルドのC…

坊主とは?

詩に「坊主」って単語を使う時は、迷います。 坊主って、仏教の僧のイメージじゃないですか。 そして、実際、それを指している言葉なんですけれど、 古典西洋文学の和訳、 または古いクラシックの歌詞の和訳などでは、 神父の事も「坊主」と表現する事がある…

コンメディア・デッラルテと墓の魚

コンメディア・デッラルテって、知ってますか? 十六世紀イタリアで盛んだった道化芝居の一種です。 このコンメディア・デッラルテ、 どんな劇でも、登場するのは、毎回、同じキャラクター(道化師)達で、 個性豊かな道化師達が、即興的な演劇を繰り広げると…

イタリアの詩

イタリアの詩歌 音楽的な詩、詩的な音楽作者: 森田学,天野恵出版社/メーカー: 三修社発売日: 2010/09/28メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログを見るイタリアの韻文詩というものを、ちょっと勉強したくて、イタリアのオペラなどの詩を分析、解…

ジェラールの詩

この世は臭い沼地に過ぎないのだから。 底だけはなるほど、きれいに澄んでいるが、 なんともひどい汚さで、 なんともひどい毒気をまきちらし、 悪臭放つ手合いはいつでも上に浮かびあがる! なんとあわれな! 黄色い草がぼうぼう茂り、 枯れた葦がぞっくり茂…

知られざる名作ラテン小説はまだまだありますよ

知られざる傑作―他五篇 (岩波文庫)作者: バルザック,水野亮出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1965/01/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 19回この商品を含むブログ (23件) を見るブックオフで十九世紀フランス作家オノレ・ド・バルザックの著書を格安で…

リュート歌曲

Lute Songsアーティスト: Dowland,Iadone,Oberlin出版社/メーカー: Lyrichord Discs Inc.発売日: 1994/11/29メディア: CD クリック: 2回この商品を含むブログを見るダウランドのリュート歌曲を聴いています。 あっ、リュートっていうのは、ギターの祖先とな…

レチタティーヴォ

さてさて、でも何より私がクラシック技法で好きなのは、オペラのレチタティーヴォという歌い方です。 これはですね、歌なんだけれど、歌うように歌うのではなくて、まるで喋るように歌うのです。 朗読のような抑揚で表現する歌というやつですね。 そう、私の…

マカーブル

なんか恐い骸骨の絵だと思いますか? 骸骨というと、ロックとか、メタルとか、思いますか? とんでもない!! クラシックの世界こそ、本当は骸骨だらけなんですよ。 だって、古い時代のヨーロッパには、死を表現した死者の絵、死者の音楽、死者の詩なんて、た…

ハリー・ラングドン

オリジナル曲を作っていながら、たまにコピー曲がやりたくなります。 それは、自分の曲には無いものを他人の曲が持っているからでしょうね。 もちろん、自分の曲には自分の色があるのだけど、だからこそ、自分の曲に無いものを他人の曲が持っていたりするの…

哀れな老婆

「哀れな老婆」 私の最も好きな、有名なアルゼンチンタンゴの歌詞です。 カルロス・ガルデルが歌っていますね。 この詩からはヴァニタス(虚栄)芸術を感じます。 だから好きなのかも♪ 人生なんて一瞬の夢。 それでもその為に、人間はあがくのが美しいのかもし…

シェイクスピア

ウェルズの「モロー博士の島」を探していて、古本屋でシェイクスピアの「マクベス」を50円でゲット(笑) 読んだ事はあっても、持っていなかったので、まぁ、収穫といたしましょう。 それにしても、シェイクスピア様も、時と場所によっては50円なんだな。 まっ…

カタプラーナ鍋

ポルトガル料理に使う鍋ですね。 アサリの酒蒸しとか、とてもおいしくできます♪ ポルトガルでは、家庭料理で使ったりするみたいで、様々な料理に対応できます。 見た目はしゃぶしゃぶ鍋みたいだけど(笑) スペインのパエリャ鍋より、用途は広いかな。 中でも…

フランスと墓場

フランス語が好きです♪ スペイン語も大好きだけど、一番好きなのは、フランス語なのかもしれません。 あの発音の独特さがたまらないじゃありませんか。 さて、ペス・デ・トゥンバ(墓場の魚)のサイトにも、フランス語が使われています。 この言葉は何でしょう…

人生とは葬儀なのだ

私は結婚式では感動しないけど、葬儀はいつもすごい感動する(笑) 特にキリスト教の葬儀の進行の仕方が好きですね。 その人の生前の事とか、教会との出会いとかを、いろいろ聴ける演出が好きです。 葬儀には、壮大な浄化と皮肉が込められている。 ああ、これ…

地獄の中では一番住みよい部屋

ゴッホは、生前は誰にも評価されず、ただ、孤独に死んでいきました。 彼の死後、ゴッホによって儲けた国、ゴッホの絵によって癒された人々は、生きていたゴッホに何もしてあげてません。 ただ、一方的に持っていっただけです。 彼の苦しみから産み出された真…

ボニー&クライド

ボニー&クライドをテーマにしたJAZZを作りたいと思ってます♪ この二人にファドや、タンゴは合わないので、やっぱりJAZZでしょうねー。 って言ったら、意外に周りから、ボニー&クライドって誰?という声が(汗) あれ?意外に知名度がない?

ドン・ジュアン

モリエールの書くドン・ジュアンは、なんというか、私には他人とは思えないキャラクターですね(笑) 人生の快楽の追求者であり、神をも恐れない不信心者。 狡くて、罰当たりで、ルール違反なピカロ。 そういった所は、私もそんなもんです(笑) よーするに 「楽…

スカパンの悪巧み

モリエール作の「スカパンの悪巧み」。 スカパンは、典型的な古典喜劇のピカロであり、トリックスター(道化役)ですね。 彼は、なかなか憎めない、ずる賢い奴なのですよ。 なぜって、彼が、主人すらコケにし、こうやって世渡り上手に生きる背景には、召使いと…

戯曲を執筆中です

「ボティーガス墓地の一夜 〜屍を漁る類の魔女の話〜」 スペインを舞台にした、詐欺師と、魔女と、神と、悪党の道化劇です。 現在、執筆中で、まだ未完成ですが、よーやく三幕にまで突入。 以下、各場面より、セリフを何点か紹介します。 ●第三幕・一部 おい…

1953年

1935年、フランスの国民的歌手エディット・ピアフがナイトクラブで初デビューした年に、アルゼンチンの国民的タンゴ歌手のカルロス・ガルデルが飛行機事故で死んでいますね。 という事は、エディトは、カルロスの歌を聴いた事があったかもしれないけれど、カ…

謎のシャンソン

私が好きなシャンソンの曲があるのですが、タイトルも作者もわかりません。 とある映画に使われていたのですが、フランス語のエンディングロールから、読み取ろうにもなかなか難しい(汗) しかも、その映画、他作品DVDの特典としておまけで入っているマイナー…

シャンソンの歌詞

これ、いい詩だと思いませんか? 私が一番好きなシャンソンの歌詞です。 ラテン圏には、こういう詩が多いですよね♪ ぞくぞくします♪ カモメ 海で死ぬ船乗り達は 塩からい海の底に投げ込まれるのだ まるで石ころのように 冷淡なキリスト教徒達といっしょに 天…

新作イラスト

最近、またイラストを描くようになってます。 なんでだろ? きっと周期があるのかも。 魔女エトワル・ドゥ・メール タイトル「彼女は腐敗がお好き」 フランスと言えば、猫。 フランスの猫と言えば、シャルトリュー♪ 猫を描いてみたかったんですね(笑) 彼女の…

ピカレスク文学

ピカレスク文学。 十六世紀スペインで流行した文学の一形式で、悪者、ろくでなしを主人公とした作品の事です。 この場合のピカレスク(ピカロ)とは、スペイン語で「悪者」という意味ですが、極悪でなくても、ひねくれ者だったり、あまり社会で優雅な地位にい…

メメント・モリ

メメント・モリは、ラテン語で「自分がいつか必ず死ぬことを忘れるな」という意味の警句ですね。 でも、決して暗い意味じゃなくて、「だからこそ今を楽しめ」という意味があります。 我々は明日には死ぬかもしれない。だからこそ、今を楽しまなきゃ!! やりた…

ヴァニタス

ヴァニタスとは本来は静物画のジャンルのひとつです。 16世紀から17世紀にかけて流行した古典美術で、豊かさ、繁栄を表現する静物画(食べ物や財宝)の中に、髑髏や、砂時計を配置する事により、人間の豊かさ、繁栄が永遠ではない、やがて死が全てを無に帰す、…