ピカレスク文学
ピカレスク文学。
十六世紀スペインで流行した文学の一形式で、悪者、ろくでなしを主人公とした作品の事です。
この場合のピカレスク(ピカロ)とは、スペイン語で「悪者」という意味ですが、極悪でなくても、ひねくれ者だったり、あまり社会で優雅な地位にいないはぐれ者だったりもします。
社会からつまはじきにされているような、例えば、詐欺師、コソドロ、チンピラなどが、世の中を斜めに見た思考で、当時の矛盾の多いキリスト社会に対する皮肉、批判を毒舌調で語る、社会風刺物が多かったようです。
こういうのを好む所が、さすがスペインですねー。
スペインはイギリスなどと違って、聖者すらも皮肉に描くと言われていますが、そういう所が、私がスペインを好きな部分の一つなのよ。
女たらしで、神をも恐れない放蕩者の小悪党ドン・ジュアンも、ピカスレスク文学の一つですね。
私の作品で言うと、「魔女」が、まさにピカロであり、キリスト教会=世界の秩序(信仰)から外れた、でも、本来は神が救うべき対象であるこれらの放蕩者達を、神は、あるいは信仰は救う事ができるのか?という皮肉であり、問いかけが、私の歌や、劇のテーマになっていますし、そのテーマは、当時のピカレスク文学と同じくです。
さてさて、コメディアや、ピカレスク文学などは、確かにコテコテの古典ですが、でも現代のマンガだって、分析してみると、基本はこうした古典から続く基本をおさえているものが多いのではないでしょうか?
ピカロ(悪者)、賢者、善人、トリックスター(ルールを破壊するいたずら者)、愚者。
こうした古典の劇で人気者だった役者達は、なんだかんだ言って、今のマンガなどでも定番な気がします。
不思議な事に、こうしたわかりやすい風刺の化身=道化達は、現代の複雑な小説などよりも、シンプルなギャグマンガなどに、より濃く受け継がれているような・・・。
例えば「おそ松くん」のキャラクター「イヤミ」や、
「アタゴオル物語」の「ヒデヨシ」なんて、典型的なトリックスター(物語のかき回し役)じゃないですか?
「ドラえもん」の「のび太」なんて、典型的な愚者。
最近?(笑)の作品では、「白鳥麗子でございます」の、白鳥麗子本人がトリックスターですし、
「ピーチガール」では、柏木さえちゃんが見事なトリックスターでありピカロでした(ここまで、あからさまなトリックスターは珍しいと思います(笑))
「私立T女子学園」なども、ひねくれ者達が社会を皮肉るという、典型的なピカレスクだった気がします。
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もちろん、わかりにくいのもあります。
「こどものおもちゃ」なんて、サナちゃんがトリックスターなのか、羽山がトリックスターなのか?(多分、サナちゃんか)(笑)
いやいや、そんな事を考えてみると、結構、面白いのですよ♪
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