哀れな老婆

「哀れな老婆」
私の最も好きな、有名なアルゼンチンタンゴの歌詞です。
カルロス・ガルデルが歌っていますね。


この詩からはヴァニタス(虚栄)芸術を感じます。
だから好きなのかも♪


人生なんて一瞬の夢。
それでもその為に、人間はあがくのが美しいのかもしれません。




「哀れな老婆」


1.
ある夜の事
俺が酔っぱらいみたいに、
独り寂しく歩道をふらふらしていると
苦しみの刃を感じた
一人の老婆が
哀れな姿で俺の事を見つめていた


哀れな物乞い女が
みすぼらしいボロを着て
自分の不幸を嘆きながら私に近づいてきた
その哀れな物乞いに
何枚かのコインを投げてやると
恥ずかしさから
老女は顔を隠した


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哀れな老婆よ
人生の片隅で
全て失ったおまえを見た
まるで宿命の見本のようだ

哀れな老婆よ
悪運が切り札をつきつけ
サイコロがくるりと回って
老女は負けた
おお、老婆よ、
おまえにはわかっていただろうに
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2.
俺はこの女の若い頃を知っている
シャンパンと男達の夢を見て
幻想を膨らましていた
哀れな女よ
誰がその人生の末路を知っていただろうか

哀れな老婆よ 俺はおまえのそばから離れていく
離れていく
考えてもみてくれ
昨日は偉大だったものが
今日はただの廃虚
私は溢れる涙を隠せない


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哀れな老婆よ
人生の片隅で
全て失ったおまえを見た
まるで宿命の見本のようだ

哀れな老婆よ
悪運が切り札をつきつけ
サイコロがくるりと回って
老女は負けた
おお、老婆よ、
おまえにはわかっていただろうに
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哀れな虚像よ
人生とは空しい
輝く栄光の影で
どれだけの苦悩があるのか

だけれど老婆よ
サイコロが回って
はるか昔に誰が勝っても
それは、ただの夢

物乞いの見た夢に過ぎない
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