ジェラールの詩


この世は臭い沼地に過ぎないのだから。
底だけはなるほど、きれいに澄んでいるが、
なんともひどい汚さで、
なんともひどい毒気をまきちらし、
悪臭放つ手合いはいつでも上に浮かびあがる!
なんとあわれな!
黄色い草がぼうぼう茂り、
枯れた葦がぞっくり茂り、
腐った木の幹、裂けて緑に光る茸、
四方八方枝を絡ませる茨、
泡でぶくぶくの緑の泥沼、
虫けらや、蟇蛙や、蛆虫共がうようよし、
腐った匂いの波を立て、あたり一面うごきまわる。
その水面は動物の屍骸だらけ。
溺れ死に、黒くふくれた腹をむきだして。


十九世紀フランスの詩人、ジェラ−ル・ド・ネルヴァルの詩ですね。


うーむ、ぞくぞくします♪


いわゆるこういったフランスの「墓場の詩」というのは、イギリスゴシック墓場の耽美な詩とは違って、醜悪でドロドロしていて好きなのです♪(スペインほどは、土臭くないかもしれませんが)


上記の詩は、私のお気に入りの作品です♪