良くも悪くもこの世では
「良くも悪くもこの世では、
美しいものは永らえてはならない」
市東亮子の作品「BUDBOY」で、主人公の仙人の言った台詞です。
確かにその通りだなーと思います。
幸せはいつまでも続かず。
何かを手に入れたと思えば、また失い。
繁栄にはやがて衰えが来る。
だからこそ人は、美しい物が永遠に衰えない神仙郷を夢に見るんでしょうね。
神仙郷とは何でしょうか?
かって、浅間山荘に閉じこもった若者達が夢見た理想郷?
戦国時代の武将達が手に入れたかった天下?
ボニーとクライドが辿り着きたかった場所?
本当に手に入ったら、その後、私達はどうするんでしょうね。
きっと持て余すんじゃないでしょうか?
不幸になれた私達にとっては、楽園なんて、清浄すぎるんじゃないでしょうか?
叶わぬ物だから美しい。
現世においては、それでいいのかもしれませんにゃあ。
- 作者: 市東亮子
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2009/07/16
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