リュートという楽器

皆様、リュートという弦楽器をご存知でしょうか?


うちのラテン哲学バンド「ペス・デ・トゥンバ(墓の魚)」に登場する数多くのヨーロッパ弦楽器の一つです。


私はリュートを説明する時には「中世ヨーロッパで弾かれていた古い時代のギターです。」と言うようにしています。


ピアノに対するチェンバロ・・・のようなものでしょうか。


実際、中世からルネサンス期に渡って、ヨーロッパ全域で演奏されていた「過去に滅びた」楽器の一つで、現代で手を出す人はほとんどいません(笑)


さて、この滅びた弦楽器。クラシックギターとの違いはどんな所なのでしょう?


まず、この楽器は、クラシックギターよりも音の響きが少なく、カラッと乾いた音が特徴である為、ある意味、音色は非常にラテン的です。(まぁ、そんな風に表現するのは私くらいなものですけどね(笑))
また、上品で繊細な音をしている為、格調の高い雰囲気を作りたい曲にもぴったりな楽器です。


うちのバンドのオリジナルラテン曲シャンソン・フュネライユ(葬送の歌)」では、スペインの地下墓地の曲や、髑髏が演奏するような(笑)抜群に乾いた音のラスゲアードの音が欲しい時に使っております。
何しろフラメンコギターは、クラシックギターよりも乾いた音を出しますが、それよりも、さらに乾いた音色を持っているのですから。


とはいえ、フラメンコギターのように頑丈ではなく、とても華奢な楽器なので、本来はラスゲアードのような激しい奏法には全く向いてない楽器です。
私がリュートを習っていた時に学んだ奏法は、それはもう、繊細なものでした。あくまで本来は、中世の対位法のような編曲の歌曲を静かに奏でていた弦楽器なのでしょうね〜。


そういった使い方だと、例えば「人生は虚しい」という古い時代の哲学「ヴァニタス」などをテーマにしたシャンソン・フュネライユ(葬送の歌)」を演奏する時など、古めかしい音が必要な時にも役立ちます。
古めかしい音を出す事に関しては、クラシックギターなど比ではありません。


奏法は、同じ弦並び、ほぼ同じ形の楽器でも、クラシックギターフラメンコギターの奏法が違うように、クラシックギターリュートの奏法もまた、異なっていて、それもまた奥が深いものなのです。


1/22(日)に、赤坂にあるクラシック専門のライブハウス、カーサクラシカで行われるワンマンライブでも、このリュートは登場する予定です♪


ぜひ、お気軽にその音色を聴きにきて下さいね〜。